君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか

『君たちはどう生きるか』とは、1937年に出版された吉野源三郎による小説。コペルというあだ名の15歳の少年・本田潤一とその叔父が、精神的な成長、貧困、人間としての総合的な体験と向き合う姿を描いている。初刊は1937年に新潮社から出版。戦後に語彙を平易にするなどの変更が加えられ、ポプラ社や岩波書店で出版された。児童文学の形をとった教養教育の古典としても知られている。2017年には羽賀翔一によって『漫画 君たちはどう生きるか』がマガジンハウスから出版された。

君たちはどう生きるかのレビュー・評価・感想

君たちはどう生きるか
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正しく苦しむとは

漫画『君たちはどう生きるか』を読みました。漫画と言いつつ、1/4は主人公のコペルくんとおじさんとの手紙なので、漫画の中でも文章量は多めです。そのため少し読むのに時間はかかります。漫画と言うより短編小説に近い気がします。
内容としては、コペルくんとおじさんのやり取りを中心として、人間はどうあるべきなのか、なるべきなのか、そうなるにはどう生きるかを見出せるのではないでしょうか。特に、間違えた道を選んでしまった時に苦しむのは、正しい道に向かおうとしているから、という部分に気づきがありました。苦しむのは誰しも嫌なことですが、その苦しみには、もしかすると、自分が進むべき正しい道を自分自身が示してくれていたのではないかと思いました。これは、コペルくんが暴力に屈する形で、親友との約束を守れず、それに非常に苦しんだことから得られた考えです。コペルくん自身は非常に苦しいのですが、それは正しい道を知っているから、正しい道に進もうとしているからこそ苦しんでいました。その苦しみに抗いながら、自分がなすべきことを行い、成長したコペルくんには感動しました。
自分の息子もこのように成長してくれたらと思いながら、映画を見ていたのも思い出します。しかしまた、コペルくんが正しい道を知っているからこそ、悩み、成長出来たのであり、親として、子に正しいことをどれだけ伝えられているのかという不安にもかられました。