改めて多様性を感じることができた作品
なにに満たされるか、何を欲とするかは人それぞれであることは分かっていたつもりでいたが、本当は全然わかっていなかったなと感じました。
今はLGBTなどが注目されていますが、括ることが難しい少数派の欲もこの世にはたくさんあって、受け入れる以前に理解されない欲望に苦しんでいる人々もいるということを思い知らされました。そのような複雑な感情が繊細に描かれていて、とてもひきつけられました。同じような感情を持つもの同士、繋がりを持って支え合えたら良いと思うものの、それも簡単じゃないという現実も表現されており、とても考えさせられる作品だと思います。同時に、その人の中で正しい欲だと思えるものであっても、そのことで他人を傷つける恐れもあり、すべてを受け入れるわけにはいかない難しさも、観る人に訴えかけるような表現がされており、メッセージ性を強く感じる映画だなと思いました。
登場人物全員の様々な感情が特別な機会だけではなく日常生活やなにげない会話など随所であらわされており、2回目を観ても、飽きることなく感情移入ができるのではないかなと思います。
他人をもう少し理解する努力をしようかな、優しい人でありたいなと思える作品です。