似たような人生を繰り返すのはオンライン対戦前提のバランスのせい?『人生ゲーム for Nintendo Switch』
歴代テレビゲーム版の『人生ゲーム』は様々ありましたが、共通して最大のネックと言えばプレイ時間が長いこと。
その点から見ればこの作品はかなり遊びやすくなりました。逆に言えば時間がかからない、内容が薄いゲームになったとも言えます。
初回こそ新鮮な気持ちで遊べますが、2周目・3周目と遊んでいくにつれ、見たことのあるイベントばかりになっていきます。過去作では中学生・高校生・大学生でそれぞれ部活やサークルをかなり細かく選べたのですが、今作では運動部・文化部・帰宅部とかなり大雑把な分け方です。
その上運動部・文化部・帰宅部、それぞれの専用イベントも毎周同じなので変化がありません。
選べる職業の数もあまり多くありません。その代わりに職業を極めると特別な職業に転職出来たり、職業固有のアイテムがもらえたりと面白い要素もあります。
ラッキーマス、ヒヤリマス、ハートマスなどの通常マスで発生するイベントも、やはり数回遊ぶだけで既視感のあるイベントだらけになるのは、フルプライスのゲームとしていかがなものでしょうか。
今作はとにかくサクサク進めさせたいのか、マップごとのゴールに全員が辿り着くまで終わらない従来のルールではなく、ゴールマス(最後の時代除く)がなくなりターン数制になりました。
これはオンライン対戦で見知らぬ人と遊ぶには良い仕様かもしれません。とは言っても急いでも2〜3時間かかります。
しかも1人用モードやローカル対戦でも同じ仕様にすると、やり込み要素もあまりない、味気ないという印象です。サクサクプレイさせたい割には、マップごとの切り替わりにMCが挟まってきてテンポを悪くしています。
このゲームでもおすすめ出来る部分はありまして、それはボードゲームそのまま版が遊べることです。おもちゃコーナーなどで売っているあの大きな人生ゲームがSwitchだけで完結出来ます。
なかなかあの大きさのゲームを買うのは場所的な意味でも勇気がいりますよね。色々な追加マップが入っていて、めんどくさいお金や株券などの管理も、コマが散らばる心配もないので遊びやすいかなと思います。
家族や友達と数回遊べば良いや〜という方にはおすすめできますが、がっつり1人でやり込みたい!という方にはPS時代の過去作をおすすめします……。