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名俳優が激突!?アメリカ映画『Heat』の解説・レビュー
1995年公開のアメリカ映画『Heat(ヒート)』は、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが主演のクライムアクション映画だ。
アル・パチーノが演ずるロス市警のヴィンセント・ハナと、ロバート・デ・ニーロ演ずる強盗団の頭目、ニール・マッコーリーの対決を描いた作品。題名の『Heat』さながら、熱を覚めさせない手に汗握るスリルを感じられる。
物語冒頭、ニールが仲間と共に現金輸送車を襲撃し無記名債権の強盗に成功したが、仲間の1人が誤って警備員を殺害してしまう。ニールが仲間に命じて口封じに全警備員を殺害し、その場を後にする。
その後犯罪現場にきたヴィンセントがプロの犯行と断定し、捜査指揮をとることになる。捜査していくことで徐々に頭目のニールに近づいていき、ヴィンセントはコーヒーショップで最初のコンタクトに成功した。
銃撃戦のような激しいアクションがある中、人間ドラマの描き方もこの映画の魅力だ。
相対する2人のコーヒーショップのシーンで、ヴィンセントは仕事や再婚した妻とのいさかい、連れ子の解決できない悩みから家庭崩壊寸前。ニールは捕まる前にすぐに逃げられるように恋人は作らない主義だったが、惚れてしまった女との関係に悩むなど、どこか主人公らしくない葛藤を抱えた人間ドラマは見てて新鮮だと感じた。