“それ”がいる森

“それ”がいる森のレビュー・評価・感想

“それ”がいる森
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それって、それ!?そんな展開ありなんだと思わず唸るぶっ飛び映画

嵐の相葉雅紀さんが主演を務めるホラー映画です。
田舎でオレンジ農業を営む相葉さん演じる田中のもとに、別れた前妻と東京で暮らす息子の一也がやってきます。一也は中学受験に行き詰まり、家出をしてしまったのです。しばらく預かることにした田中は、一也を地元の小学校に通わせることに。クラスメートとともに禁じられた森に侵入した一也は、そこで奇妙な陥没を発見するのです。まるでミステリーサークルのようなそれ。疑問に思ううちに、2人は得体の知れない何者かに襲われてしまいます。一也は無事でしたが、一緒にいたクラスメートは行方不明に。その後もクラスメートの謎の失踪が立て続けに起こり、田舎はパニックに陥ってしまいます。そんな中、「森には何かがいる」と言い張る息子のために、田中は危険を冒して正体を掴もうと決意しました。

以下ネタバレです。
森にいる何かは、一言で言うとエイリアンです。
エイリアンは分裂し数を増やすために宇宙からやってきては、地球の子どもを攫っていました。地球の子どもの成長板という細胞が繁殖に働くようで、一連の襲撃や失踪もエイリアンの栄養素として捕食されていたのです。
分裂し数が増えたことで力を増したエイリアンたちが残っている子ども奪おうと姿を現し、一也も餌食になってしまいそうに。間一髪で駆けつけた田中によって、エイリアンは撃退されます。実は田中が育てていたオレンジに含まれる細菌は、エイリアンには適応できない種類のものだったからです。こうしてエイリアンは地球は危険だと察し、宇宙船に乗って帰っていったのでした。

かつて映画『リング』や映画『仄暗い水の底から』でJホラーの基礎を築いた中田秀夫監督が放つ異色のホラー映画でした。もはやホラーと呼んでいいのかすらわからないけれど、相葉さんの息子を守るために奔走する父親役はぴったりでした。普段は穏やかな印象が強い相葉さんのシリアスな演技が目玉です。