首(映画)

首(映画)のレビュー・評価・感想

首(映画)
10

歴史を知らない人でも楽しめる

歴史を知らなくてもとても楽しめた。信長の好き故の暴力のようなシーンが衝撃的。信長の剣に刺さった饅頭を村重が食べるというシーンが忠実に再現されていて驚いた。信長は本能寺の変で死んだと学校で教えられてきたが、実は弥助が火事の中信長の首を切ってそれで死んだんじゃないかという新たな解釈があり、面白かった。
千利休と各武将達との絡みも見どころである。途中で出てくる曽呂利門左衛門も良いキャラをしていたし、豊臣秀吉のことを慕っていた弟の羽島秀長でさえ下剋上を狙っていて驚愕した。秀吉が明智にスパイを忍び込ませたり、家康に頭下げたりと「皆天下を取りたいんだな」と観ていてしみじみ感じた。

明智光秀は荒木村重と仲が良く、信長と村重が敵対しても秘密に光秀が匿っていたのに、本能寺の変を起すぞというときに急に突き放したことに驚いた。そのとき放った「武士一人の忠義より天下のほうがよほど重い」という言葉も衝撃的。明智は信長に愛故の少しひどい扱いを受けていたため、本能寺の変で信長の首を見つけることができず、秀吉と戦うこととなって負けてしまったことが少し無念であった。
有名な武将であった家康が襲撃を防ぐため家来に成りすますシーンがあるのだが、その姿がとても家来らしくて面白かった。