RUN/ラン

RUN/ランのレビュー・評価・感想

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RUN/ラン
8

「RUN」「逃げろ」彼女は何から、誰から逃げるのか

RUNは日本語にすると「走る」「逃げる」などの意味がある。単純ながら興味をそそる題名だ。
2021年公開のサスペンス映画「RUN/ラン」とはどのような映画なのか。
病気によって体が不自由で車椅子生活を余儀なくされ、郊外の一軒家で母と2人で暮らす高校生クロエ。学校にも通えないクロエは自宅学習で大学進学を目標に一生懸命勉強していた。そんなクロエの世話を献身的にしてくれる母ダイアン。車椅子生活でも問題なく暮らしていた2人なのだが、大学進学が近づくにつれ、クロエは自分の病気のことや母の行動に不信感を覚え始める。
大まかなストーリーはこのような感じで、題名からも多少は想像できるのであまり詳細を語るとすぐにネタバレしてしまう。車椅子で体の自由がきかない、そして逃げなければならない状況になるであろうことを想像すると、それだけで恐怖を感じる状況ではないだろうか。そして、母という存在は大抵の子どもにとってある意味絶対的で疑いようもないものである。その母に対して疑念を持った時、それまで信じていたものが一気に崩れ去る恐怖はなんとも言い難い。
単純な殺人鬼からにげる物語とはまた違う、静かにゾワッとするような感覚を体験できる映画がこの「RUN/ラン」である。