真夏の夜のジャズ

真夏の夜のジャズのレビュー・評価・感想

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真夏の夜のジャズ
8

海辺でビールを飲みながら見たい作品

1958年、アメリカで開催された「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」を捉えたドキュメンタリー作品。
ステージだけでなくオーディエンスの様子も映し出されるので、当時のファッションも楽しめるし、皆が思い思いにフェスティバルを過ごしている姿だけでも見る価値がある。
手持ち無沙汰に指をいじくったり、ボーッと脚を組んでいたり。カップルは肩を寄せ合い、宵もたけなわになれば踊りだす人もいて、そのどれもが画になるほどかっこいい。
それもそのはずで、監督はマリリン・モンローの最後の写真を撮り下ろしたことでも有名なファッション写真家、バート・スターンである。

4Kリバイバル上映もされているが、この映画は是非とも映画館ではなく野外で(もしくは自宅で気のおける友人たちと)見てほしい。
1曲ごとに演奏が終われば拍手せずにはいられないし、友人たちと感想を気軽いに言い合ったり、音楽とともに踊ったり。それこそフェスティバルに参加している感覚で楽しめるので、82分間、シートに身を沈めてジッとスクリーンを眺めていてはもったいない。
演者たちが何より音楽を楽しんでいる様子が伝わってくるので、ジャズをよく知らないという人でもオススメの一作。
ラストの、ルイ・アームストロングからマヘリア・ジャクソンのゴスペルへの流れは素晴らしいのひと言に尽きる。