TEZUKA2023 ブラック・ジャック 機械の心臓-Heartbeat Mark II

TEZUKA2023 ブラック・ジャック 機械の心臓-Heartbeat Mark IIのレビュー・評価・感想

TEZUKA2023 ブラック・ジャック 機械の心臓-Heartbeat Mark II
10

甦る天才!手塚治虫は死なない

往年のブラック・ジャックのファンならば、感涙を禁じえません。
「手塚治虫が今書くのなら確かにこうなる!」としか言いようがないのです。
「ハザマクロオ(ブラック・ジャックの本名)が!ピノコが!あの手術シーンが!」と、身体中の血液が沸騰するような興奮を感じました。

AIがストーリーを書いたことも話題になった作品で、ブラック・ジャックが、機械の心臓を持つクランケ(患者)の手術を請け負うというもの。現代の課題である臓器移植のテーマに対して切り込んだ内容になっており、「機械の心臓が近未来において当たり前になる」という予言的な内容もまた、手塚治虫ならではの視点です。

完璧なはずのAIでのコントロールが上手く作動しないというクランケの不安や葛藤、自己矛盾に陥る描写がまたリアルであり、「完璧とは何か?」という事に対する手塚のアンサーが、ブラック・ジャックを通して「心地よいお説教」という形で迫ってくるのです。

AIが書いているのかも知れませんが、ファンを納得させ、手塚治虫やブラックジャックの続編を求める声が止まないほどのクオリティでした。次回作も期待したいし、心の底からオススメできる作品です。