ib-インスタントバレット-

ib-インスタントバレット-のレビュー・評価・感想

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9

初々しい赤坂アカ

『ib-インスタントバレット-』という漫画です。『かぐや様は告らせたい』や『推しの子』で有名な、赤坂アカの漫画です。
厳密には『さよならピアノソナタ』という作品が小説の原作付きのデビュー作となりますが、本人原作の物はこちらがデビュー作となります。

出てくるキャラクターの全てが、重い現実と深いトラウマを抱えています。内容がかなり暗いです。でも、徐々にそれぞれのキャラクター達が救われていきます。
どこに魅力を感じるのかというと、全てのキャラクターが強く心を動かされ、頭の中ではしたいことでいっぱいになっているのに、実際に露出する感情表現が極めて乏しいところです。
生まれ育った環境が極めて劣悪で、自分の手ではどうすることもできない少年期を送っているために、行動が白けてしまっています。多分「大人なんて下らない」と、どのキャラクターも思っています。でも、救われていきます。救われないキャラクターは味方と袂を分かちます。そのキャラクターのみ多分救われていません。また、救われた途端に死んでしまうキャラクターもいます。

下らないと思う過去や現実があって、「どうせ今(過去)は救われないけど、その内良いことがある」と思いたい人が読むと救われる可能性があります。