イケメン...だけで語れないイケメン
KENN。彼の説明は非常に難しい。ミュージシャンとしてデビューし、舞台などで俳優としても活躍し、現在イケメン売れっ子声優として確固たる地位を築いている。
彼は持ち前の甘いマスクと、なんとも美しく磨きあげられた身体のパーツ、そしてその愛らしいキャラで、多くの女性ファンの心を鷲掴みにして離さない魅力溢れた人物なのだが...
実は彼の本当の価値はそこにある訳では無い。
むしろ、自身の目に見えるイケメンという器に真実が隠されてしまっている。まあなんとももどかしいタイプの天才だと言える。
彼の真実の価値は「媒体を選ばない表現力」にある。
彼の表現力の一番の特徴はとにかくそのリアル感。視聴者を傍観者にさせない力の持ち主なのだ。
その表現力が歌で表された時、彼のミュージシャンとしての位置は限りなく「役者」に近くなる。
歌詞が全てセリフに、生きた言葉になって動く。
そして、それが彼独特の甘く切ない声で表現され、幼い頃からピアノや合唱団で磨かれ、裏打ちされた音楽にのせる。
彼は音楽を作ることはないが、演奏家を再現者として捉えるなら、彼ほど何もかもをリアルに再現するミュージシャンはいないのではないかと思う。
「語りは歌うように、歌は語るように」。
よく言われる演技や歌の肝とも言える言葉だが、この「歌は語るように」を体現しているのがKENNの歌。
そして彼はセリフを読むイントネーションを「音程」で捉える。
この肝を確実にやってのける実力ある表現力の天才。
このイケメンに隠された真実の表現力、もうひとつカーテンを開けて覗いてみると、新しい世界が広がるのかも。