「いまこそ悪性腫瘍を切除しないとな…」
『ソウ』『死霊館』のジェームズ・ワン監督のこの映画。
冒頭で主人公のマディソンが何者かに襲われるシーンが、ジェームズ・ワンが製作した『ライト/オフ』と少し似ていて、正体は悪霊かと思ったが、監督が同じオチを用意しているわけもなく、物語が進むにつれて明かされる正体に驚かされた。
なんと正体はマディソンに寄生した双子、ガブリエルだったのである。なんとも悪趣味だがリアリティのある設定に一気に引き込まれた。その上、このガブリエルはホラー映画のキャラクターとして、とても魅力的なキャラクターだった。なぜなら、ガブリエルは自分を捨てた実の母親への復讐、自分をマディソンの中へ封じ込めた研究所の博士たちへの復讐を企てていた。
マディソンから「あなたは最初からモンスターだった」と言われるが、愛と自由を求めていたガブリエルの境遇を考える少し同情をしたくなるのである。
それに、ガブリエルはマディソンと脳を共有しており、マディソンの後頭部にガブリエルの顔があるので、ガブリエルの意思で体を動かす場合は体を逆に動かさなければならない。器用で身体能力が高いので、警察とのチェイスシーンや警察署での殺戮シーンはとても見ごたえがあって素晴らしかった。