七つ屋 志のぶの宝石匣

七つ屋 志のぶの宝石匣のレビュー・評価・感想

七つ屋 志のぶの宝石匣
8

宝石にまつわる魅力的なストーリー

銀座でも下町の風情がのこる商店街に店を構える質屋が舞台です。主人公はその質屋の跡取りで、宝石の“気”が見えるという不思議な能力をもつ女子高生。この設定だけで期待できるのに、その質屋には幼い頃に預けられた(質入れされた)イケメン青年がいます!
この物語は、主人公が質屋に持ち込まれた宝石とそれらにかかわる人間模様を、宝石の“気”をてがかりに紐解いていく人情劇的なストーリーと、ある日突然一家が離散し家も焼けてしまった青年がその謎を解くために代々家に伝わる「赤い宝石」を探すミステリ的なストーリーからなっています。
主人公と青年を取り巻く人々も、宝石デザイナーや宝石の元となる石を買い付ける人、ファッションモデルなど、皆きらびやかで少なからず宝石に関わる仕事をしています。主人公の特殊な能力も借りながら、物語は人工ダイヤモンドの謎、そして「赤い宝石」に近づいていきます。
とにかく魅力的だと思うのは、宝石の歴史や描写、宝石のもつ意味に基づいたストーリーの数々です。マンガは白黒ですが、読む人の多くは物語に登場する宝石たちをカラーで、自分の目で見たいと思うのではないでしょうか。
主人公と青年の恋の行方にも注目。ぜひ読んでみてください。