ウメ星デンカ

ウメ星デンカのレビュー・評価・感想

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ウメ星デンカ
7

とてもおおらかな空気の「日常に入り込んだ異分子」

故郷のウメ星が爆発してカメ壺型のロケットで地球にやってきたデンカ、国王、妃、後々加わる家臣のベニショーガが、一般家庭の中村太郎の家に居候する日常ギャグマンガ。
デンカ一家は地球でのルールを知らないこともあって、やっていいことと悪いことの違いが判らないのだ。なので、中村一家とご町内の人々を翻弄して騒動を起こす。その珍道中の様を、藤子先生はおおらかな笑いの雰囲気で描いている。
デンカたちが住んでいたウメ星は地球よりもテクノロジーが発達している。カメ壺型のロケットは収納性が非常に優れていて、明らかにロケットよりも大きい絨毯や豪華な家具、長距離移動が楽になる機械などが出てくる。服だけが透明になるガス銃など、何に使うねんと突っ込みたくなる物も出てきた。その道具のせいで、またもや騒動が町内で起こってしまうこともあり、これらはウメ星デンカの後に連載が始まったドラえもんと似ている。この作品以外にも、ドビンソン漂流記やポコニャンなど、普通の男の子が人ではないものと暮らしていて、その人ではないものが出す、作る道具で騒動が起きることが多く、藤子作品にこういったパターンがあることに気が付いた。