満州アヘンスクワッド

満州アヘンスクワッド

『満州アヘンスクワッド』とは、原作門馬司、作画鹿子により2020年4月から2021年9月まで『コミックDAYS』にて連載し、その後、『週刊ヤングマガジン』にて連載している漫画。第二次世界大戦前の満洲国を舞台に、主人公の日方勇が、ヒロインの麗華らと共に、日本軍や中国マフィアと対立をしながらも、それぞれの目的を果たすため阿片の密造・密売を行っていくクライム作品である。派手なアクションや知能戦だけでなく、仲間内の絆による団結力なども魅了的な作品である。

満州アヘンスクワッドのレビュー・評価・感想

満州アヘンスクワッド
8

もはや全員が悪役と思えるようなストーリー展開が面白い

昭和初期の満州において、家族のためにアヘンの製造、販売に手を染める主人公とそれに加担する仲間たちが主役のストーリーです。
作中ではアヘンの利権に夢中になる人物が多く登場し、争いがどんどん過激になっていき、彼らは頭脳や暴力などを駆使して、利益をあげていこうと奮闘していきます。
この作品ではアヘンを使用する人たちの悲惨な光景が描かれており、基本的にはアヘンは望ましくない存在となっていることから、当然ながらそれを製造、販売する主人公らも善とは言い難い存在です。それは彼らに敵対する人たちも同様です。
つまり、見方によってはみんなが悪役という言い方もでき、この時代において全員が自分たちの望む状況を手に入れようとしている欲望深き存在に見えてくる、そんな部分が作品の大きな特徴となっています。
また、本作は多様な国籍の登場人物が出てきて、それぞれで得意分野や考え方が異なっており、ここは面白さを感じさせる箇所だと思います。
さらに当時の社会状況をある程度反映している箇所でもあるので、現代とは違った事情を感じながら読み進めることができます。
基本的にはサスペンス要素が強く、先のストーリーが非常に気になってくる可能性が高いですし、たくさんの人たちが楽しみやすい作品です。

満州アヘンスクワッド
8

生きるために、阿片のビジネスをするしかなかった。満洲国のカオスと歴史の渦に巻き込まれるクライム・サスペンス!

満州アヘンスクワッドは、昭和12年の満洲国で阿片の密造に手を染める日本人少年の物語です。
この漫画は、歴史と現代の問題が交錯する衝撃的な内容と、カオスな世界で生きるキャラクターたちの感動的なドラマと、スリリングな展開と迫力ある作画という三つの魅力を持っています。満州国は、日本軍や中国の秘密結社がアヘンの生産や流通に関わっていたアヘンの大消費国でした。
アヘンは、中毒性が高く、薬物ビジネスの裏側には暴力や汚職が渦巻いていました。これらは、現代の薬物問題や人間心理にも通じるテーマです。
主人公の日方勇は、満州国で阿片を作ることになりますが、彼には夢や理想、家族や仲間への思いもあります。
彼は、阿片ビジネスに関わることで、様々な敵と対峙しますが、知恵や技術、勇気や策略を駆使して危機を乗り越えていきます。
敵と戦いを重ねる中で、成長していく彼の様子が見どころになります。
作画も素晴らしく、満州国の風景や阿片の製造過程、戦闘シーンなどが細かく描かれています。