連ちゃんパパ

連ちゃんパパのレビュー・評価・感想

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連ちゃんパパ
7

なぜこんな外道が生まれたのか

主人公の日之本進は、妻の雅子がパチンコ狂いで自分と息子の浩司と借金を置いて逃げたことを、家にいきなり来た借金取りから告げられる。雅子を追いかける旅をする中、進は旅の資金を得るためにパチンコに挑戦し、見事に勝つ。その後、雅子を京都で見つけるのだが逃げられて、進は教師の仕事を失い、借金取りに転職する。ここから進はものすごい屑になった。借金がある家庭を心中まで追い詰める、善良な働き者とその人の家庭をパチンコとキャバで狂わせる。度が過ぎたことばかりして、雅子同様、パチンコに大金をかけて借金取りなのに借金をするようになった。自分の愚行を微塵も気にせず本人は気持ちよく、「なはっ!」と笑って読者をドン引きさせている。

雅子も冒頭での失踪に加え、自分と本気で一緒になりたい別の男が雅子を信じて渡した預金通帳の金をパチンコにつぎこむなど、進とどっこいどっこいな屑だ。だからこそ、親が外道なせいで苦労している浩司の面倒を見ている借金取りの優しさが、とても輝いていた。どんな人生経験をしたらこんな人の記憶に残る屑モンスターを作れるんだと、作者のありま氏に恐れをなした。物語の最後まで進と雅子はパチンコがやめられずに、パチンコ店がない環境に身を置くまでになった。パチンコ依存がきっかけで、「台風レベルで迷惑をかけるくらいなら自分はパチンコなんて絶対やらん!」と、震えて誓った。