自転車屋さんの高橋くん

自転車屋さんの高橋くん

『自転車屋さんの高橋くん』は日本の漫画作品。原作者は松虫あられ。2019年4月3日よりリイド社の『トーチweb』にて連載。単行本最新巻は2023年2月24日発売の6巻。累計100万部を突破している。
飯野朋子(はんのともこ)、略してパン子は東京出身の30歳、岐阜県で一人暮らしをするOLである。 自分の意見をはっきりと言えず、上司から受けるセクハラや同僚からの誘いを断れないのが悩みのパン子。そんな押しに弱い性格のパン子が、近所の自転車屋を営む高橋遼平と出会ったことをきっかけに少しずつ変わっていく。内気なアラサー女子と、少し怖い見た目は怖いが悩みを否定せずに優しく寄り添ってくれる世話好き年下ヤンキーとの恋愛物語である。
岐阜県大垣市が主な舞台となっていることにより、同市の観光協会のパンフレットにイラストが使用されており、劇中で登場する観光名所が紹介されている。 2022年11月にテレビ東京系列でテレビドラマ化された。主演は内田理央と鈴木伸之。

自転車屋さんの高橋くんのレビュー・評価・感想

自転車屋さんの高橋くん
8

高橋くんとともちゃんのこれからが気になる

自分に自身がなくて振り回される主人公のともちゃんが高橋くんと出会い成長する姿を楽しむことができる。
母親との関係、職場での立ち振舞い、人に合わせてばかりで自分がどうしたらいいのか分からない、そんな世の女性の心の琴線に響く物語だ。
ともちゃんの気持ちに変化をもたらしてくれる高橋くん、ぶっきらぼうで何も考えていないようだが、彼もともちゃんと同じく前に進めず、ジレンマを抱えている。
ともちゃんと高橋くんが出会った時から急接近するまでが特に読者の心に響くものがある。自分というものを認めてもらえる喜び、周りに合わせてばかりいたことで自分を主張することの難しさ、自分を大切にすることは相手を大切にする事など、この物語を通じて教えてもらえた。
このまま2人でラブラブでいるのも悪くはないが、恋愛と同時に2人の心の成長が惹きつける漫画なのがアラサーにとっては面白い。人生は一度きり、不器用だが試行錯誤しながら新しいステップを踏んでいくともちゃん、自分はこのままでいいのかと不安を感じる高橋くん、2人の心理描写が繊細に描かれている。依存関係からそれぞれが自分というものを探していき、自立をする、ただの恋愛の漫画ではなく、人間として成長していく姿を応援したくなる。これからも楽しみな作品だ。