怪物公爵と契約公女

怪物公爵と契約公女のレビュー・評価・感想

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怪物公爵と契約公女
8

姉の生贄として、生まれた少女は怪物公爵に助けを求める

必ず金髪と白髪の兄弟が生まれるスペラード侯爵家では、金髪の子だけが持つ「闇の力」を強めるために、白髪の子は生贄になる運命でした。
白髪のレスリーは、金髪のエリーにいじめられていました。生贄として火が燃え盛る小屋に入れられたとき、生贄になった歴代の子どもたちに助けられ、小屋から出た日から、レスリーも金髪の子だけが持つ「闇の力」を持ちました。
「闇の力」を持ったレスリーは、スペラード侯爵家の滅亡と生贄になった歴代の子どもたちへの復讐を果たそうとします。そのため、怪物公爵と呼ばれるサルバトール家に「養女にしてほしい」と取引を持ち込み、養女となったレスリーが公爵や兄たちに愛されながら、願いを叶えていく物語です。
当主の顔に大きなやけどがあり、大柄で不愛想、喧嘩が強く恐れられていたサルバトール家を、レスリーは怖がりませんでした。礼儀正しく、教養もあったレスリーが気に入られ、愛されるところが見どころです。
腕にやけどの痕があり、両親のほうが怖かったレスリーは、姉の役に立つために身につけていた教養のおかげで、サルバトール家のひとりひとりの中身が見られました。
境遇を知ったサルバトール家が、全力でレスリーを守り愛したところがすてきでした。ココアにクッキーを浮かべて喜んだり、着飾ったり、年相応の表情が可愛かったです。
いじめてくる姉に言い返せるようになった姿には、心が強くなったカッコよさを感じるでしょう。いろいろな人に愛され自分の道を決め、幸せをつかむ姿を見てほしいです。