Chevon / シェボン

Chevon / シェボンのレビュー・評価・感想

Chevon / シェボン
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突如頭角を表した札幌発の3ピースバンド「Chevon」って知ってる?

Chevonとは不思議な世界観が特徴の日本の3ピースバンドである。メンバーは性別不明でジャンダーレスな歌声をもつボーカル・谷絹茉優(やぎぬまゆう)、ギタリストのKtjm(キタジマ)、ベーシストのオオノタツヤの3人。

2024年2月にファーストアルバム『Chevon』を発表。出演するライブは軒並みソールドアウト、破竹の勢いで「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「JAPAN JAM」「VIVA LA LOCK」など国内有名フェスに出演を果たし、全国的に人気が急上昇した。

話題のファーストアルバム『Chevon』に収録されている「ダンス・デカダンス」「ですとらくしょん!!」などをはじめとした楽曲は、ファンク感溢れる楽器隊のサウンドが軸にありながら、リズミカルでおどろおどろしいボーカルが絶妙に混ざりあっている。特徴的な声や世界感から、一見好みは分かれそうだが、「ハチ」などをはじめとした2010年代のボカロ曲を想起させる、しっちゃかめっちゃかだが耳当たりはよく、とっつきやすい中毒性のあるサウンドに仕上げられている。
YouTubeで公開されているミュージックビデオも2010年代のボカロ曲を聴いていた人なら「おっ懐かしいな」と感じるはずだ。

Chevon / シェボン
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中毒者続出のロックバンド

札幌を中心に活動する3ピースバンド、「Chevon(シェボン)」。彼らの作り出す音楽は、1度聞いたら繰り返し聞きたくなる中毒性を持っている。
Ktjm(G)とオオノタツヤ(B)が作り出す音の重厚感、お互いを引き立たせる表現力が、Chevonのバンドサウンドを組み立てている。そして、なんといっても谷絹茉優(Vo)の歌声が魅力的だ。

2021年に発表した「No.4」を始め「Banquet」など、たくさんの曲をこの世に送り出してきた。谷絹はこの数多くある曲を変幻自在に操る。力強く、煽るような歌い方をしたかと思えば、優しく語り掛けるような歌い方をする。果たして、谷絹は1人の人間なのだろうかと思わせてしまうほど、表現力が豊かなのだ。1曲聞いてしまえば、ほかの曲も自然と聞いてみたくなるだろう。

Chevonは、時に激しい曲を演奏する。しかし、その歌詞は聞き手に寄り添い、誰もが抱く小さなわだかまりを代弁してくれている。心に響く歌詞は、恐らく、哲学好きな谷絹の織り成す業であろう。本人も「とても弱い人間で病みやすい」と公言しており、それゆえに、ぽっかりと空いた心の穴を埋めるような楽曲を生み出すことが出来るのだと思う。