高橋孝汰

高橋孝汰のレビュー・評価・感想

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高橋孝汰
8

他にはない低音と渋みの合わさった声が素晴らしい有望なアーティスト

高橋孝汰さんは主に高知県で活動しているシンガーソングライターで、アコースティックギターでの弾き語りをしています。彼の作り出すオリジナル曲はどこか暗いようなネガティブな歌詞のものが多く、そのメロディーやコード進行はプロの歌手にも負けず劣らず惹きつけられるものがありかなりクオリティーが高いです。
曲の題材は恋愛に関する物が多く、特に失恋経験のある方には響く内容が多いです。全体的に切ない雰囲気が魅力的で、例えば代表曲のひとつである「Rainy Day」では女性目線で失恋の苦しさを切実に歌い上げています。そのアンサーソングとも言える「雨男」では、「Rainy Day」の男性目線からの後悔ややりきれぬ想いが語られており、合わせて聴くことでより曲の背景がわかり世界観に引きこまれます。他にも「言葉はジャックナイフ」という曲は一風変わり、言葉の内在的な攻撃性など影響力の強さを力強く歌い上げた良作となっています。
生きていると感じずにはいられない人生の儚さや空しさを様々な観点からまとめあげ、村下孝蔵さんのような深みのある厚い歌声で歌う様は静かながら底深い情熱を感じられます。年々重みを増していく魅力的な歌声は渋みを増してパワーアップし続けています。