お転婆の田舎姫は、誰よりも王の隣がふさわしい
険しい絶壁の上にある薬草畑の小さな領地カロディア領は、ダナン王国のへきちの奥にありました。田舎の領地カロディア領の姫フェリアは、料理や縫物ができ、兄や騎士たちと剣術で遊んでいたとてもお転婆な女の子です。
領主で兄のリカッロが、台所で芋煮を作っていたフェリアに「31番目のお妃様に選ばれた」と伝えました。「田舎の領地の娘が、選ばれるわけがない」と思っていたフェリアに、「領主の会合で決まった」と伝え、真実とわかりました。
それぞれの各領地から、暦の1日から31日の姫が揃わなければ、ダナン王国の王様がお妃様を決められません。3ヶ月に1回しか来ず、誰も姫になりたがらない31日にフェリアが選ばれました。日付ごとにお姫様のところに来る王様の貧乏クジは、31番目の姫でした。姫に選ばれなければ、すぐ帰れました。
牛車で行ったフェリアは、ドレスではなく平民服だったため、お姫様と信じてもらえなかったうえ、騎士に驚かれ、お妃様候補に多くの嫌がらせを受けました。しかし、王様と出会い恋をしたフェリアが、肩を並べる王妃になりたいと奮闘する物語です。
素直に伝えたいけれど、立場上できない王様とフェリアのもどかしい気持ちが見所です。
お妃様候補とままごとをする、微笑まない人とお茶を飲む、媚を売るなどの行為に、精神と肉体も疲れた王様のマクロンは、妃候補同士のいさかいにも興味ありません。マクロンが望む理想の妃は、王の責務を生涯ともに背負い支え合える人でした。
当初、疲れて寝ていたフェリアに、ご飯とよく眠れるお茶を出し、妃候補と言わずに気遣ってくれたマクロンの姿に惹かれました。その後、共に戦ってくれたフェリアや騎士の信頼がより深まりました。
1番目から30番目の妃候補の担当騎士たちが精神的にまいる中、薬草茶や芋煮で回復し鍛錬したり、憩いの場になった小屋で寝たり、フェリアの行動に信頼がよりより深まりました。
恋仲になったマクロンからリボンを贈られ、信頼のおける人から妃教育を受け成長します。立場が弱く、女中頭やほかの妃候補から受けた嫌がらせを、フェリアが華麗にかわすところが爽快でした。
思いが通じ合っていても、王様とお妃様候補のマクロンとフェリアは、ルールやしがらみが邪魔して堂々と会えないからこそ、花の色で思いを伝えました。
具合が悪い妃の様子を、王様が騎士として見に来ました。
王様と妃候補として公の場で会話する姿がもどかしく、頬が緩むシーンが見所です。