42~世界を変えた男~

42~世界を変えた男~

『42~世界を変えた男~』とは、2013年にアメリカで制作された野球映画。白人選手だけで構成されていたブルックリン・ドジャースに黒人選手として初めて入団したジャッキー・ロビンソンがチームメイト、観客、マスコミ、審判を敵に回す中、渾身のプレイを続けて周囲を変化させていく姿が感動的に描かれていく。
ジャッキー・ロビンソンを『ブラック・パンサー』で知られるチャドウィック・ボーズマンが演じ、ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーのブランチ・リッキーをハリソン・フォードが演じた。

42~世界を変えた男~のレビュー・評価・感想

42~世界を変えた男~
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メジャーリーグの歴史を変えた紳士

人種差別が色濃く残っていた1940年代後半のアメリカで、ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)がドジャースのGMブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)に大抜擢され、初めての黒人プレイヤーとしてメジャーリーグで活躍していくストーリー。

生々しく描かれる黒人差別にひたすらに耐え続けるジャッキーの心の強さに感服する。心が壊れてもおかしくないはずだが、彼は耐え続けた。
ブランチ・リッキーの強い思いを感じ取っていたのだろう。ブランチ自身も昔、チームメイトが肌の色が理由で同じホテルに宿泊できなかったという経験があったという。それもあり、彼は黒人選手を加入させることに積極的だった。
ブランチはジャッキーに「罵声や差別行為に耐え、プレーで魅せろ」と伝え、ジャッキーはとにかくプレーで観客や他の選手を魅了した。

入団前や入団直後はチームメイトからも肌の色を理由に一緒にプレーすることを拒否されていたが、GMの助けやジャッキー自身の心の強さもあり、徐々に打ち解ける。相手監督の罵声により1度試合中に泣き崩れる様子が描かれているが、そこをGMやチームメイトが救ってくれる。ジャッキーの人柄あっての行動だったと伺える。

初シーズンに打率.297、12本塁打、48打点、29盗塁という成績を残し新人王を獲得した。その後約9年間活躍し、彼の背番号「42」はメジャーリーグ唯一の全球団永久欠番となっている。世界を大きく変える人々の共通点は心の強さであると改めて感じた。