人狩りいこうぜ!
フランスのブラックコメディ映画です。
物語は経営難に陥った肉屋の店主が、店を襲撃したヴィーガンをうっかり殺してしまったことから始まります。死体の処理に困った彼がハムに加工したところ、何も知らない妻が売ってしまい、それがかつてない人気を集めました。
連日行列ができる店になったことで後に引けなくなった店主は「材料集め」に出るのですが、返り討ちの結果だった1回目とは違ってなかなか上手くいきません。
頑張ってはいるけど空回りの多い旦那と、倫理観が欠けてるわりに自分の手は汚さない妻。明らかに捕まりそうな場面は多々あるのですが、手際の悪さを何度も幸運に救われます。次第にコツを掴み、狩りを通して男性としての自信を取り戻し、経済的な余裕もできたことで冷え切っていた妻との関係も修復されていきます。
ヴィーガンに対する批判や風刺というには悪意的すぎる描写が不謹慎な笑いを誘う、夫婦再生ブラックコメディでした。ポスターのようにノリノリで人を狩るパートは短いのですが、そのぶんヴィレッジ・ピープルの「マッチョ・マン」が流れるシーンの印象深さを増しています。あの最悪さと面白さは必見の価値ありです。
作中の流れに沿った説得力のあるきれいなオチだったことも含めて、おすすめの作品です。