ラストシーンに釘付けになりました
序盤の穏やかさは何だったのだろうと思うほどどんどん展開が変わっていき、色々と考えながらもどこかにヒントがあるはずと終始目が離せない映画でした。サスペンスとはまた違うスリルと、穏やかな風景なのになんだか落ち着くことができない不思議な空気感に、いつの間にか飲み込まれているような感覚でした。
生まれた時の環境や血筋など、自分ではどうしようもできないことで苦しんで生きてきた人物がたくさん登場します。しかし、苦しい状況も、他の状況で苦しんでいる他人から見ればうらやましく見えるなど、その矛盾と不条理さに観ながらも頭を抱えそうになりました。ラストシーンが衝撃的ではあったのですが、衝撃が走ってからしばらくして納得できるような流れになっていて、余韻も楽しむことができる映画だと思います。
また戸籍を交換することに関して、理にかなっているなという思いもありながら、それで本当に幸せになれるのだろうかという疑問も投げかけられており、登場人物全員の今後を見続けていたくなりました。続編がみたくなるような、苦しくなるから見たくないような、複雑な心境になります。
見終わったあと、自分の生まれた環境について、血筋について、状況について1度考えてみたくなる映画です。