公爵夫人の50のお茶レシピ

公爵夫人の50のお茶レシピのレビュー・評価・感想

公爵夫人の50のお茶レシピ
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紅茶を楽しむのが心から好きな現代女性が公爵夫人になった話

現代の日本で、人目を気にしながら頼まれた仕事はどんなに嫌でも断れない女性日向楓(ひゅうがかえで)は、嫌な上司から押し付けられた仕事に失敗し、家でお酒を飲み倒れました。目を覚ますと、クロエ・バーテンベルクという公爵夫人の体の中に意識がありました。クロエ公爵夫人はオドオドしていて人目を気にする人物で、メイドや執事、夫人から笑われ者にされ相手にする人はいませんでした。彼女の夫アルフォンスとは政略結婚で、夫も彼女に興味が無ありません。クロエ公爵夫人になった楓は、日本にいた時に愛飲していた「どんな事があっても忘れられる紅茶」が欲しいと夫に頼み、それを手に入れます。
「紅茶」を通じて夫や使用人、夫人との関係を築くという物語で、作品の見所は、様々な種類のお茶が出てくる所です。クロエになった楓は公爵夫人の生活を頑張ろうと紅茶を楽しむのですが、クロエの世界ではコーヒーが一般的で紅茶、お茶は飲まれていませんでした。そこで、楓は日本にいた時の記憶を頼りにアールグレイ、玄米茶、緑茶、ルイボスティー、など相手に合わせてお茶を選び入れていきます。最初は、お茶を見下していた人達も美味しさ、水の美しさ、コーヒーカップとは違う茶器の綺麗さに魅了され、公爵夫人を見直していくのです。お茶会のたびに違うお茶が出てくるので、勉強にもなります。話が進むごとにお茶を通じて恋が進展する所も見所です。