イニシェリン島の精霊 / The Banshees of Inisherin

『イニシェリン島の精霊』とは、ロンドン出身の映画監督マーティンマクドナーによるアイルランドの映画作品。サーチライトピクチャーズ社によって、2022年10月に劇場公開された。
1923年、架空の島イニシェリン島で暮らす純朴な中年男パートリックは、ある日突然親友の音楽家コルムから一方的に絶交を言い渡される。コルムは「残り少ない人生をお前の無駄話に付き合うのはごめんだ」と親友との友情より、自分の余生で遺せる芸術のため時間を優先する。
コルムの言い分が理解できないパートリックはコルムに付きまとう。コルムはパートリックを遠ざけるために、「これ以上俺に関わると自分の指を切り落とす」と言い出すが、それでもパートリックが行動を起こしたために、事態は思いもかけない方向へと突き進んでいく。
本作は2022年・第79回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で、監督のマーティンマクドナーが脚本賞を、コリンファレルが最優秀男優賞を受賞している。また、第95回アカデミー賞でも、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞など、合計9ノミネートを果たした。
本作は監督マクドナーが30代の時、演劇のために書いた「イニシアのバンシー 」の映画化である。原作の演劇は上演されておらず、本人自ら「全然うまくいかなかった」と述べており、今作の映画化で見事リベンジを遂げている。