上京生活録イチジョウ

上京生活録イチジョウ

『上京生活録イチジョウ』とは原作・萩原天晴、漫画・上原求、新井和也、協力・福本伸行による漫画。福本の代表作『賭博破戒録カイジ』に登場する消費者金融を主とする帝愛グループ傘下の裏カジノ店オーナーの一条聖也(いちじょうせいや)を主人公としたスピンオフ作品である。この作品は後に、1玉4,000円する悪魔的パチンコ台「沼」を開発するなどして、帝愛の上層部にのし上がることになる一条の入社前の高卒で岡山から上京し燻っていた日々を描いたギャグ漫画である。

上京生活録イチジョウのレビュー・評価・感想

上京生活録イチジョウ
9

一条の青春描写が魅力です

原作である「カイジ」において、カイジのライバルキャラでもある一条。
彼のフリーター時代を描いた本作は、主に上京生活や青春などが描かれています。
一条と同じく、上京したことがある方にとって本作は、感情移入しやすいと思います。
東京タワーが意外と小さく見えたり、地元にはなかった数の飲食店の魅力に気づいたりなど、上京あるあるが数多く描かれています。
「カイジ」のスピンオフ作品には「イチジョウ」の他に、「トネガワ」と「ハンチョウ」があります。
「イチジョウ」は他2作品と異なり、主人公が20歳前後であることを活かして、学生時代の友情や恋愛を彷彿させるシーンが多くあります。
例えば、バイト先で出会った友達と海に行ったり、田舎のおばあちゃんの家に行ったり、花火をしたりと青春を感じさせてくれます。
また、友達の恋愛相談に乗るシーンも必見です。
一条が友達の恋愛を応援したい反面、素直に応援できないなど、見どころ満載です。
「カイジ」のみを読んだ方は一条のことを、優秀で他人を見下す嫌味なキャラと思っている方も多いでしょう。
しかし、本作を読むことによって、一条のことを嫌味なところもあるけど憎めないところもある可愛らしいキャラクターと思えるようになるはずです。
もちろん、「カイジ」を読んだことない方も、キャラクター説明などの配慮がされているため、楽しめる内容となっています。