岸辺露伴は動かない / Thus Spoke Kishibe Rohan

岸辺露伴は動かない / Thus Spoke Kishibe Rohan

『岸辺露伴は動かない』とは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするアニメ、ドラマ作品であり、荒木の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する岸部露伴のスピンオフである。リアリティを追求する漫画家の岸辺露伴が、作品の取材で奇妙な現象に巻き込まれ、持ち前の知識、機転、スタンドと呼ばれる超能力で危機を回避する。日常に潜む恐怖や、意外な真実との遭遇を奇抜なアイディアで描く。派生作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の他、短編小説集もある。

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岸辺露伴は動かない / Thus Spoke Kishibe Rohan
10

漫画家・岸辺露伴と奇妙な取材に行こう

『岸辺露伴は動かない』は、主人公に『ジョジョの奇妙な冒険』第4部『ダイヤモンドは砕けない』のサブキャラクター『岸辺露伴』を主人公に据えたホラー漫画です。
漫画家である岸辺露伴が、漫画の取材も兼ねて訪れたあらゆる場所で巻き起こるミステリーが描かれています。
さらに、『ダイヤモンドは砕けない』において屈指の人気キャラであった岸辺露伴の魅力が余すことなくこれでもかと描かれています。
本編である『ダイヤモンドは砕けない』から飛び出した岸辺露伴は、第4部のエピソードだけでは知ることが出来なかった一面を見せてくれます。
例えば、露伴は野球の観戦に行く事を楽しみにしていたり、スポーツジムに通ったり…意外なところでは、セーラームーンのフィギュアを無くしてしまい、悔しがっているなんて一面も。
あらゆる角度から露伴のことを窺えることが出来て、以前以上に露伴に愛着が湧いてしまうこと間違い無しです。
露伴は漫画のネタを求めて様々な場所へ足を運びます。
例えば、日本の山奥や海、果ては海外のイタリアにまで、露伴はロマンを求めて旅します。
海へは、第4部にも登場した料理人のキャラクター『トニオ』と、なんと密猟をするために訪れるのですが、それは病気を患うトニオの恋人に珍しいアワビを食べさせてあげるためでした。
どうしてもワガママな印象が強い露伴ですが、この時ばかりは友人であるトニオのためにひと肌脱いで協力し、トニオのピンチには身を挺して助けに向かうという姿を見せてくれました。
このトニオの他にも、『岸辺露伴は動かない』には『ダイヤモンドは砕けない』のキャラクターが登場するということがジョジョファンにはたまりません。
一例を挙げると、第4部本編で主人公『東方仗助』の敵役であった『音石明』が、実は露伴の漫画のファンであり、サインを露伴に求めるというエピソードがこの『岸辺露伴は動かない』では描かれています。
このように、想像も出来なかったキャラクターがゲストで突然登場しては我々を楽しませてくれるのです。
露伴は旅の道中で、時には得体の知れない人外の生物とも対峙します。
ジョジョでお馴染みの『スタンド』である『ヘブンズ・ドアー』を駆使して、どのようにそれらの敵対する相手に立ち向かうのか、毎回ハラハラさせてくれます。
露伴の取材旅行に同行するような感覚で、『岸辺露伴は動かない』を手に取ってはみませんか。