SKRYU

SKRYUのレビュー・評価・感想

SKRYU
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HIPHOPの新時代を築くSKRYU「目指すは超SuperStar」大街道サイファーから日本武道館へ

SKRYU(スクリュー)とは、1996年9月3日生まれのラッパーである。
愛媛大学に進学していたため愛媛を活動の中心としていたが、実際の出身は島根県の安来市だ。

彼がラップを聞き始めたのは高校生の時であり、当時話題沸騰中であった「高校生ラップ選手権」を見たのがきっかけだと言う。その後、愛媛大学に進学したのち大街道商店街でアルバイトから帰宅していたところを「Disry」に誘われてラップを「する側」になった。

着実にスキルを上げていった彼の人生の転機となったのは「戦極令和杯」での優勝である。
UMB2018での敗退後、地元の山陰合同銀行に就職しエリート人生を歩んでいた彼だったが、そんな中でもラッパーとしての活動を続けていた。
戦極令和杯自体は大きい大会ではなかったものの、戦極MCバトルと呼ばれる大会の下の大会だったので、MCバトルヘッズには名の知れた大会であった。そんな中優勝したSKRYUは愛媛から全国まで一気に知名度を上げることとなる。

戦極令和杯優勝後、2020年に銀行を辞めて上京しラッパーとしての生活を始める。
「Moutain view」や「They want skr」などの数々のヒット曲を出し、段々と世間に知られだす。
そして「戦極MCBATTLE U22 秋の祭典 vs OBs Dream match 2020」で優勝する。
この優勝により、KOK2020での出場が決まり、さらに注目度が高まった。
戦極令和杯で優勝してからKOK2020までの期間は、間違いなく「躍進の年」だっただろう。

2021年に入ってからは戦極23章でも優勝し、バトル好きは誰しもが知るラッパーとなった。
本人が「戦極で人生変えてます。」と言うほど戦極MCバトルのイメージが強いラッパーである。
師匠である「Disry」との音源を作成したり、有名ラッパーとのコラボをしていくうちに「東京ドギマギ」というEPを出す。このEPにある「超SuperStar」は、SKRYUの代名詞とも呼べる名称になっている。
そしてなんといってもSKRYUといったら「How many boogie」だろう。
TikTokやyoutubeでも良く流れてくる音源となっている。

そんなSKRYUの曲の魅力と言えば「気持ちの悪さ」だろう(笑)
ねっとりした声や、下ネタや擬音を含んだ韻をあれだけ曲に入れられるラッパーは数えられるほどいない。
そしてなんといっても"パンチラインの多さ"だ。
「How many boogie」では「登場から5秒でけちょんけちょんにされちまうような脇役でも」など、頭の中に残り続けるリリックを大量に作っている。
また、MCバトルでは「戦慄(戦極)の感動をもう一度」と自身の戦極MCバトルでの経歴を振り返るのと共に、自身のラップバトルへの愛を示している。

タイトルにも含まれているが、SKRYUは「THE HIPHOP」という雰囲気では間違いなくない。
明るく、前向きになれる曲がたくさん彼のEPにはある。
誰しも必ず一つはハマる曲があるはず。

ぜひ聞いてみてはいかがだろうか?

SKRYU
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HIPHOPミュージシャン「SKRYU」の魅力

SKRYUは、HIPHOPというジャンルの中で取り分け異彩を放つミュージシャンである。一般的にHIPHOP、ラップというジャンルは、不良が煌びやかなファッションに身を包み、自分のリアルな生活をリズムに乗せて語るというイメージを持つ方が多いと思うが、SKRYUは少し違う。
彼は見た目からして不良には全く見えず、歌詞の内容も自らの平凡な生活の中で、感じたことをありのまま楽曲に落とし込んでいる。

ポップでメロディアスな曲調はHIPHOPの枠に捉われず、老若男女問わず誰の耳にも馴染みやすいものとなっている。親近感の湧く歌詞と、少し変わった感性は他のどのアーティストとも被る事なく唯一無二で、新鮮な印象を与える。
また彼の楽曲には、言葉に形容しがたいノスタルジックな魅力もある。それはおそらく彼の等身大の歌詞と、耳馴染みの良い音楽性の両方が上手く噛み合い独特の魅力を創り出しているからだと考えられる。普段HIPHOPを聴かない方からも多くの支持を得ているのはそういった所が要因となっているのだろう。

テンポの速いリズミカルな楽曲から、ゆっくりとしたテンポの色気のある楽曲まで、全ての楽曲のレベルが高く彼の音楽性が十二分に発揮されているものばかりである。
どんな方でも一度彼の楽曲を聴くと、癖になることだろう。