ドリーム・ホース

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ドリーム・ホースのレビュー・評価・感想

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ドリーム・ホース
10

人生を輝かせてくれるのは仲間と夢

ドリーム・ホースはイギリス・ウェールズの田舎町を舞台にした映画。退屈な日々を過ごす冴えない主婦のジャンが、職場のバーにやってきた元馬主との出会いをきっかけに、町の人を巻き込んで共同馬主になり…というお話。こんなことあるの?と思うのですが、実話を元にしているというから驚き。馬を購入することで、無気力だったジャンの夫や町の人々が活気付く様は見ているこちらまで元気が出てきますし、馬を巡る人々のやり取りにはハラハラさせられました。そして、本作の魅力は競馬シーン。実際の競馬に負けず劣らずの迫力で、手に汗握りながら見守りました。その瞬間は、私もジャンの仲間の一人になったような気持ちがします。競馬につきものの馬の死亡や怪我といった辛い場面もあり、映画だということを忘れて一緒になって涙がこぼれることもありました。そして、こうした命のやりとりがあるからこそ、人生は輝くのかもしれないと。私が特にこの映画で気に入っているのは、エンディングです。実話を元にした映画ということで、エンディングではキャストと一緒に本人たちが現れ、肩を組みみんなで歌を歌います。ジャンが劇中で働いており、馬を買うきっかけになった酒場での光景なので、心が温かくなりました。今までに見てきた映画の中でもかなり好きなエンディングです。