田中靖人

田中靖人のレビュー・評価・感想

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田中靖人
10

クラシックサクソフォンとジャズの融合音楽

クラシックサクソフォン界のスター田中靖人氏。トルヴェール・カルテットではバリトンサクソフォンを担当し、東京佼成ウインドオーケストラではコンサートマスターを務めている。田中氏は大学時代にクラシックを専攻する中で、ジャズにも関心が強く、クラシックとジャズの融合を模索する日々を送っていた。そのため田中氏の音楽性は他の奏者にない独自の世界観を導き出している。田中氏の音はクラシックの豊かな音、ジャズのパワフルさを掛け合わせた非常に"贅沢な音"といえる。オーケストラの中でも彼の音色は良く聞こえ、皆でハーモニーを作り出した際も、彼の豊かな音は全体の音と混じりあったうえでよく響く。
ジャズを押し出したアルバム「ガーシュイン カクテル」、エンニオ・モリコーネ氏の作り出した楽曲を集約した「モリコーネ・パラダイス」など彼の幅広い音楽は熱狂的なファンを作っている。
田中氏は東京佼成ではアルト、ソプラノサクソフォン、トルヴェールではバリトン、他オーケストラではテナーサクソフォンを担当することもある。他の奏者に比べ、担当楽器の得意不得意に偏りがないことも、魅力といえる。
まず一度「モリコーネ・パラダイス」を聞いていただければ、納得いただけるだろう。