電人ザボーガー(映画)

電人ザボーガー(映画)のレビュー・評価・感想

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電人ザボーガー(映画)
8

あの時代の空気をまとったまま作られたリメイクの傑作

2011年に劇場公開された『電人ザボーガー』は、1970年代にテレビ放映された同名の特撮ドラマを現代の技術でリメイクし、映画は青年の若々しさと青臭さを描いた第一部と、主人公を含めた登場人物が年齢を重ね、肉体的な老いと流動する社会、挫折とそこからの復活を時にシリアスに、時にコミカルに描いた第二部の構成となっています。
自ら開発した悪のサイボーグ軍団を操るΣ(シグマ)の総帥・悪ノ宮博士の陰謀から日本を守る為に組織された秘密警察所属の刑事・大門豊は兄弟とも呼べる戦闘ロボット・電人ザボーガーを相棒に日々戦っていました。
Σの幹部であるミス・ボーグは男性に恨みをもつ女性の細胞から作られたサイボーグでしたが、度重なる作戦の失敗によって他の幹部からも白眼視され、立場が悪くなっていきます。
そしてとある戦闘時に大門の優しさに触れたミス・ボーグは恋に落ち、それが決定打となって裏切者扱いになってしまいます。
ザボーガーを抹殺すべく作られたミス・ラガーズの猛攻の最中、自分を倒せと叫ぶミス・ボーグとザボーガーがもつれあい両者は大爆発。その破片の中に新たな生命がいた事を知る者はその場にはいませんでした。
そして、数十年の時が経ち47歳、無職となった大門豊に立ちふさがるのは社会という現実でした。
はたしてザボーガーが復活する時が来るのか?謎の生命の悲しい正体とは?Σの野望を阻止する事は出来るのか?