ロボコップ

ロボコップのレビュー・評価・感想

ロボコップ
10

鋼鉄のキリスト!ロボコップ!

オランダが生んだ鬼才、ポール・バーホーベン監督によるSFアクション映画。
治安最悪の都市デトロイトを舞台に、サイボーグ刑事が大活躍する活劇になっています。
主人公はデトロイトに配置された刑事のマーフィー。
この時代の警察は完全民営化されており、多国籍企業オムニ社の一部署になっていました。
彼は銀行強盗を追いかけていく内に逆に返り討ちにあい惨殺されてしまいます。
やがて、マーフィーの死骸はオムニ社に回収サイボーグ刑事ロボコップとしてよみがえるのでした。
当初はマーフィーとしての記憶を失っていましたが、徐々に取り戻していき、やがて自分を殺したギャング一味への報復に向かうのでした。
本作には警察・司法・公務員を民営化させていくことの恐怖を描いています。
警察が一会社の部署になっていくと、当然貧富の差がわかれてしまいます。
そして、士気の低下にもつながっていきます。
やはり、なんだかんだで民営化をしてはいけない部分がある。
治安維持やインフラはその典型例といえるでしょう。
またもう一つのテーマは「イエス・キリストの復活」であるといえるでしょう。
実際に本作の監督を務めたポール・バーホーベンは様々な聖書からのイメージを本作で使用したといわれています。
一度死に蘇ったマーフィーは絶対的な正義の象徴として悪を裁く。
その姿はイエス・キリストに近いともいえるでしょう。
そんな本作はそういった賢そうなテーマだけに限らない純粋なエンターテイメントとしても面白い作品になっています。
SFが苦手という人にこそ本作は見ていただきたい内容になっていますので、おすすめです。