2034年「米中戦争第三次世界大戦」勃発のシナリオ、現実味のあるフィクション小説
「2034:A Novel of the Next World War」という小説がアメリカでベストセラーになった。
この小説は2034年、南シナ海で中国海軍と米国海軍が衝突し、米中核戦争にまで発展してしまうという内容だ。
著者はアフガニスタンとイラクで奉仕した元海兵隊員のエリオット・アッカーマンと、
NATO最高軍司令官を務めたアメリカ軍の退役海軍大将ジェームズ・スタヴリディスの2人ともあって現場目線のリアリティーに満ちた視点で書かれている。
これはまだ日本未発表で、今回はその日本語に翻訳されていないあらすじだ。
物語は2034年、アメリカ海軍第七艦隊所属の3隻の小艦隊、女性の指揮官サラが航行の自由を行使し南シナ海を航行していると中国の不審船と遭遇した。
アメリカ海軍はそのあやしい中国の不審船を拿捕すると、待っていたかのように中国の空母打撃軍が現れ「中国の船を引き渡し海域から退去せよ」と警告。
南シナ海の航行の自由を行使しているアメリカ海軍はこれを無視した。
すると突然、アメリカ海軍の小艦隊3隻は横須賀にある七艦隊司令部と3隻の小艦隊同士、連絡が取れなくなってしまった。
さらに同時刻、今度は中東のホルムズ海峡上空で飛んでいたアメリカ軍のF35ステレス戦闘機のシステムがハッキングされ操縦不能に。
ハッキングにより、イランの空軍基地に強制的に着陸させられてしまった。
その頃、アメリカでは中国の海軍大将がホワイトハウスにやって来て「F35と中国の拿捕された船を交換しろ」と要求。
しかし、アメリカは「そうした要求には応じられない」と交渉を拒否した。
すると南シナ海では中国の空母打撃軍がアメリカ海軍の小艦隊を攻撃。
中国軍のサイバー攻撃もありアメリカ海軍の電子戦力は無力化し3隻の内、2隻が沈められ女性の指揮官サラの小艦も走行不能となってしまった。
中国軍の攻撃はこれに留まらず、アメリカ本土をサイバー攻撃。社会インフラなどが混乱した。
じつは、中国の本当の狙いはアメリカを潰すことだったのだ。
一方、アメリカでは事態をエスカレートさせない方針を固めていた。
なぜなら、アメリカも中国も「核保有国」だからである。
しかし、アメリカの国民はアメリカ海軍の2隻が沈められ、F35戦闘機も奪われたことから、中国への反撃の声が強まっていた。
結局、アメリカは世論に押され40隻の大艦隊を南シナ海に送り込んだのだが、中国軍のサイバー攻撃によってアメリカ海軍の大艦隊はすべてのシステムがダウン。
なにもできないままアメリカ海軍は37隻が沈められ、何千人ものアメリカ海軍要員が死亡し、ほぼ壊滅状態となってしまった。
中国共産党指導部は、1949年の革命以来、自国の領有権を行使し台湾への侵攻を開始するために、
南シナ海で危機を作り上げ、第三次世界大戦となる南シナ海の戦いで勝利をおさめた。
2034年、アメリカ大統領は独立派として選挙に勝った女性となっていた。
アメリカ海軍の小艦隊2隻と37隻が沈められ、何千人ものアメリカ海軍要員が死亡。
さらに中国が台湾に接近する中、彼女は中国に対する戦術核兵器の使用をついに認めた。
一方、中国の同盟国ロシアは、「米国にサービスを提供する地下10Gインターネットケーブル」を切断。
これにより、米国東部、中西部の大部分、西海岸の50%のインターネットサービスが中断され、全国的な停電が発生してしまった。
中国は台湾に侵攻を開始。
アメリカ海軍のサラが指揮する米空母エンタープライズの部隊は、150キロトンの核爆発でついに中国本土を攻撃した。
これにより核の一線を超えてしまったのだ。
核攻撃をされた中国は、軍艦を太平洋岸に移動させ、独自の戦術的な核兵器を使ってサンディエゴとガルベストンを破壊することで対抗。
一方、ロシアはこの隙にポーランド領を侵略。
米国大統領は、上海を含む中国の3都市(人口3,200万人を超える)の核破壊を命じることで、さらにエスカレートすることとなってしまった。
核と核との応酬…。アメリカと中国はどうなってしまうのか。両方とも滅んでしまうのか。
結末はご自身にてぜひお読みいただきたい。