大怪獣のあとしまつ

大怪獣のあとしまつのレビュー・評価・感想

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大怪獣のあとしまつ
3

俳優陣の演技はいいが

俳優陣は実力のある人たちが出演しているので、演技は安心して見ることができる。
しかし肝心の内容は笑えない。寒いギャグのオンパレードであまりおすすめできない。コメディ映画で笑えないというのは致命的だ。さらにそのギャグも下ネタが多く、そういうのが苦手な人には苦痛なことこの上ない作品といえる。

怪獣が出てくる場面は迫力があり、いい部分もあるだけに、どうしてこういう作風にしてしまったのかがわからない。ストーリーも最終的には禁じ手を使うような形で終わるし、いくらコメディとはいえ色々と腑に落ちない部分が多かった。
特撮というジャンルが苦手なオダギリジョーがせっかく出演しているのに、この映画のせいで今後ますます特撮を拒絶する意識が高まってしまったのではないかと心配になる。

政治に関する風刺をやりたかったのかもしれないが、下ネタのせいで全部台無し。これまであまり話題になってこなかった題材を扱った作品だけに期待が大きかったが、その分実際に鑑賞した時のなんともいえなさが残ってしまった。
もしいつか同じ題材を扱った映画が制作されるときがあるとしたら、その時はきちんと題材に取り組んだ真面目な作品を作って欲しい。本作を観て心からそう思った。

大怪獣のあとしまつ
1

ううん、何だコレ

Hey! Say! JUMPの山田涼介主演の怪獣特撮映画。
ある日地球を恐怖のどん底に叩き込んだ怪獣が死んだところから話は始まります。
西田敏行演じる総理大臣がこの死んだ怪獣の後始末に振り回されることになるコメディの要素が強いです。
謎の密室で度々開かれる各大臣とのやり取りは、あまりにも陳腐でしかし実際にはこんなものなのだろうなというちょっとだけリアルな感じもしないでもないです。
怪獣を何とかして名物に仕立て上げようとする大人たちのエゴ丸出しの行動がおかしいです。
合間に描かれるヒロインの土屋太鳳を巡る山田涼介と浜田岳のやり取りはいきなり挟まれるので虚をつかれます。
そもそも怪獣を主役にした特撮エンターテインメントと思ってこの映画を観ると盛大な肩透かしを食らいます。
劇中に度々ほのめかされる光の巨人の存在、地球最後の希望を託すには出番が遅すぎると思います。
演劇では禁じ手だと思われるデウスエクスマキナという古代ギリシャから続く禁じ手を2回も繰り出すのはいささか陳腐だと思います。
色々な場面で繰り広げられるギャグや小ネタもことごとく滑っており、もはや心地よくなる始末。
オチも何の捻りも無く最初から山田涼介が変身すれば3分で終わるような話だなと思いました。
頭を空っぽにしてボケーっとして観ていてもやや辛い映画でした。
色々な意味で後年に語り継がれる作品にはなるかなと思います。