スプリガン / SPRIGGAN

スプリガン / SPRIGGAN

『スプリガン』とは、超古代文明の残した数々の超常的な遺産と、それを巡る熾烈な戦いを描いた、たかしげ宙(原作)、皆川亮二(作画)による漫画作品。80年代から90年代にかけてブームとなったオカルト趣味の影響を受けており、それを痛快な娯楽作品へと昇華させた傑作として国内外で高く評価されている。
世界をも滅ぼしかねない、超古代文明の遺産「オーパーツ」。それを守護するための秘密組織アーカムに、御神苗優という少年が所属していた。オーパーツを狙う組織や国家に、優は仲間たちと共に立ち向かっていく。

スプリガン / SPRIGGANのレビュー・評価・感想

スプリガン / SPRIGGAN
8

スプリガンは都市伝説の元祖的マンガ?

スプリガンは何より設定が巧みなんです。狼男にドラキュラ、魔女や仙人、こういった人外キャラが一つの物語に登場するマンガは多いと思います。しかしそれらはどれもご都合主義的な設定ばかりで、どうもアニメアニメしていると思いませんか?スプリガンの素晴らしいところは、こういった人外キャラが物語に登場する理由や設定がかなり作り込まれていてとてもリアルなんです。だからこそ物語に対する不自然なアニメ感は消え、自然と物語の中へと引き込まれていく仕組みになっているのです。
人類に脅威を及ぼす可能性のある遺跡を封印する組織。ランク分けされたエージェントの中で最も腕の立つS級エージェントである主人公、御神苗優は、生い立ちこそ同情すべき少年兵という設定ではあるものの、それ以外はいたって普通の高校生。しかし彼を取り巻く他のエージェントたちは違います。
一人ひとりのエピソードに留まらず、背景である世界の遺跡にまつわるエピソードなどを各回に渡って上手く一つの物語にまとめるプロットは、この漫画が普通の不思議系マンガではないことを表しています。
そして何より、ルパン三世の不二子的存在である、染井芳乃という女子高生。実は彼女は遺跡荒しのトレジャーハンター。主人公とヒロインといった単純な関係性で描かれていないのがこれまた憎い演出ですよね。