電波少女

電波少女のレビュー・評価・感想

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電波少女
8

ダサいからこそかっこいい電波少女って?

一見アイドルグループかと思ってしまうグループ名。ネットラップ界で一目置かれる電波少女(デンパガール)とは。
宮崎県出身、高校時代の同級生であるMCのハシシとパフォーマー兼ボタンを押す係のnicecream、
そこにノリで加入したソロアーティストNIHA-C(ニハシー)の3人からなる3ピースヒップホップユニットである。
2009年にニコニコ動画から活動をスタートさせた。当初メンバーは6人であった。
何度かのメンバー加入・脱退を経て現在の形になる。
中でも2018年より加入したNIHA-Cは元々楽曲やライブでの共演が多かっただけにファンの間でも衝撃と驚きが大きかった。
そんなサプライズを仕掛けてくる電波少女のブレインともいえるハシシはすべての楽曲作成を担当。
ハシシ独特の心地よいフロウ(感情をのせた歌い方)にリアルなリリック(歌詞)が混ざりあい心を捕まれる。
リリックが生々しいのも楽曲の歌詞すべてがハシシが10代の時の恋人1人に向けて書かれたものであるから当然だ。
人生で一番の大恋愛を歌詞にする、というのはよくある話である。
だが、全曲を1人の相手に向けて書き続けるという他にはない執念深さがすごい。
ハシシ自身も語る性格の悪さや器の小ささを隠すことなく全面にぶつけてくるのが電波少女の魅力である。
彼らの楽曲はヒップホップというベースのうえで、曲によってロック調であったり時にはポップミュージックに近いものであったりする。
ラップというカルチャーとの親しみが浅い人でも受け入れやすいのも魅力のひとつである。