この世界の(さらにいくつもの)片隅に

この世界の(さらにいくつもの)片隅にのレビュー・評価・感想

New Review
この世界の(さらにいくつもの)片隅に
9

前作が好きなら迷わず観るべき。

前作でカットされていたシーンを追加しての完全版といった感じです。
もし初見なら、前作は観ずにこちらだけ視聴でよろしいかと思います。
すず、周作、リンの関係性が明確に描かれ、前回ではなぜ?といまいち共感しきれなかった箇所にもストンと納得できました。
ほのぼのとしているだけではない、すずさんの女性としての内面がより深く描かれ、より一層すずさんを好きになりました。
偶然に知ってしまった自分と出会う前の夫とその想い人との関係。
自分がリンさんの代わりに嫁入りしたのだとわかってしまった時のやるせなさ、悔しさ。
すずさんに感情移入してしまってなんとも苦しい気持ちに。
リンさんはなにも知らないから余計心情は複雑なんですよね。
魅力的で可愛いリンさん、嫉妬を感じながらも憎むことはできない。
すずさんが周作さんの妻ってリンが知ってしまったらもっとドロドロしたでしょうけど。
お花見の席で周作さんとリンが鉢合わせた時、やばい修羅場か?と身構えましたが、反応があまりにもあっさりしていて、ああもう二人にとっては過去の事なのだと、胸を撫で下ろしました。
三角関係として描きながらも、皆が慎ましく密やかに自分の心の内にだけ想いを留める様子がなんともいじらしく美しいです。