悪魔のはらわた

悪魔のはらわたのレビュー・評価・感想

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悪魔のはらわた
7

米国の現代美術家アンディ・ウォーホルのキッチュな表現のみが突出したB級イタリア・ホラー映画

『悪魔のはらわた』は1973年公開のホラー映画で、監督・脚本はポール・モリッセイです。出演はウド・キア、ジョー・ダレサンドロ、モニーク・ヴァン・ブーレン、アルノ・ジェギング。内装はイタリアの映画製作会社のクルーによってローマのチネチッタで撮影されました。西ドイツと米国では、映画は『Andy Warhol's Frankenstein』(アンディ・ウォーホルのフランケンシュタイン)というタイトルで公開されました。性と暴力が露骨に表現されているために、MPAAによって本作はXレートに指定されています。1970年代には、3Dバージョンがロンドンとストックホルムで上映され、1986年にはオーストラリアで『処女の生き血』と本作の3Dバージョンが併映されました。アクションシーンのグロテスクさは初公開時には3Dの使用によって強調されており、また腹裂きの場面は内臓をカメラに向かって押し出すようにするアングルから撮影されています。この映画の美術に米国の現代美術家アンディ・ウォーホルが関わっており、作中で作り物めいた禍々しい表現効果を高める演出を行なっています。「死」と「グロテスク性」の綯い交ぜになったキッチュな肉体表現は、この時期のウォーホルの造形の常套句でした。