スパイ・ゲーム / Spy Game

スパイ・ゲーム / Spy Gameのレビュー・評価・感想

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スパイ・ゲーム / Spy Game
8

ハリウッドの2大スター共演!緊迫感あふれるスパイアクション

1992年の映画『リバー・ランズ・スルー・イット』ではロバート・レッドフォードが監督、ブラッド・ピットが俳優という立場であった2人。
その2人が9年ぶりに俳優同士としての顔合わせを実現させ、共演を果たしたスパイ映画。

ベルリンの壁が崩壊して2年後の1991年、厳重な警備を誇る中国・蘇州の刑務所で工作活動をしていたCIA工作員トム・ビショップが当局に拘束されてしまう。
かつてスパイとしての素質を見出し、ビショップを自ら育て上げてきた引退間近の工作員ネイサン・ミュアーは上層部の動きをかわしながら、ビショップに関する情報を小出しにしながら渡り合う中、ビショップが国益のために見殺しにされようとしていることを知るのだった。

スパイ映画といえば「007シリーズ」のように派手なアクション、美女とのロマンス、神出鬼没の悪役、驚きの秘密兵器を思い浮べるが、それはあくまでもフィクション。
この映画『スパイ・ゲーム』はスパイ活動の実態を見せつける。
いかなる犠牲を払おうとも任務を遂行すること、情報提供者は単なる捨て駒に過ぎないこと、失敗をしても誰にも助けられないという非情なスパイの世界に見る者を引き込んでいく。
そして危険と隣り合わせの最前線と安全なCIA本部の会議室を交互に見せながら展開するストーリーは秀逸。
ミュアーを取り囲む男たちの言葉が真実とは限らないし、表情が芝居なのかどうかわからない。
言葉の裏に隠された意味を探り出す面白さがある。
相手の動きを読みながら駒をひとつひとつ動かすチェスをしているかのような感覚になる。
短いカット割り、迫り来るタイムリミット、レッドフォード演じる工作員が非情なスパイの世界で部下を救いだすのかどうかの緊張感、そしてスパイとしてのイロハが散りばめられたスパイアクションの佳作。