ショック・ドゥ・フューチャー

ショック・ドゥ・フューチャーのレビュー・評価・感想

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ショック・ドゥ・フューチャー
10

好きな事にどっぷりと打ち込める生活が羨ましい、、!諦めなければ、きっとチャンスを掴み取れると勇気をくれるエレクトロ・ミュージックのサクセスストーリー

音楽に詳しく無い私でも、レトロなフランスの世界観にグッと惹き込まれ鑑賞。
70代後半パリ、主人公の若き女性ミュージシャン「アナ」は、終始タバコをくわえ何か悶々と思い耽ている。
彼女は依頼されたCM楽曲の曲作りになかなか没頭できずにいるらしい。
知人に、大きなシンセサイザーと部屋ごと借りて暮らしている彼女なのだが、締め切り当日になんと
シンセサイザーが故障してしまい、大ピンチ。。そんな中、ピンチはチャンスと言うように知人
の修理屋さんに修理してもらい、たまたま彼が持ち合わせていた最新機器「ローランドCR-78」に出逢う。新しい機材を触ったワクワク感、これだ!と今までの迷いを晴らし、依頼されていたCM楽曲の仕事を断って、曲作りに没頭する。アナは納得の行かないものは断り、好きなものに忠実に生きている女性だ。
自身が主催する、音楽パーティーに有名プロデューサーが来ると言う知らせを受け、レーベルに所属できるチャンスの為に楽曲を作り始めたのだ。楽曲作りの最中、フィーリングの会う友との出会いもあり、1曲の作品が出来上がる。とても自信作の作品をパーティー当日、ロックの時代の最新の音楽のお披露目かのように訪れた皆の前で披露する。新しい音楽に当初、お客達は戸惑ったが段々と音に魅了され拍手喝采の夜。
そんな中、アナは有名プロデューサーに思い切って声をかけ、自分の音楽の感想を問う。なんと「売れない」とピシャリと否定され、「若くて綺麗なんだから良いじゃないか」とまるで女性を下に見ているように一撃を受ける。全身全霊を打ち込んだものを、否定されたアナはとても悲しみの淵に追いやられ自暴自棄となる。そんな中、彼女を応援している友人が言った一声「人生で大事なのは転ぶ回数より起き上がる回数だ」
この言葉により、アナは立ち直り始める。鑑賞している自分自身も、自己投影してしまうシーンだ。
誰かに何を言われようと、有名な誰に認めて貰えるのが成功なのではなく、本当に自分のやりたい物を作り続け、その中で共感し合える仲間との出会いが本当に幸せなのだと気づかせられる。
エレクトロ・ミュージックが好きな方はもちろんだが、自分が本当にやりたいことや、没頭出来ることを探している人、夢を叶えたい人に是非オススメだ。
きっと、明日からあなたも何かに夢中になれる日々がきっと待ち受けている。