死ぬまでにしたい10のこと

死ぬまでにしたい10のことのレビュー・評価・感想

New Review
死ぬまでにしたい10のこと
10

未来は誰もわからない。

今日と同じような毎日が、当たり前のように明日も来ると、誰もが思っているはずです。思っているから、そんな事はむしろ考えないで同じ毎日を過ごしているのかも。いや、逆に思っていないから考えないのかもしれません。
私がこの作品を初めて見た時は、まだまだ、徹夜でスノーボードに行くくらい元気で自分が2ヶ月後にいなくなる事が想像もできないくらいに若い時でした。でも、この映画の主人公の彼女も当時の私と大して変わらない歳だったはず。そして、まだ小さな女の子2人のママでした。
この映画を見てから約20年。色々な事が様変わりして、自分の置かれている立場や環境も変わり、改めてこの映画を見ると涙が止まらなくなるのです。
残された家族はすごく悲しいです。でも、残して置いて行く方だって苦しくて、切なくて、ものすごく悲しいんです。子供が小さいならなおさらです。
子供たちの成長を見ていくのは当たり前の事のように思うのに。
主人公の彼女は、余名宣告を受けた事を、誰にも伝えません。夫にも母親にも。現実をうけいれようとしながら、残された時間に「泣いている時間はない」と、立ち上がります。そして「やるべき事と、やりたい事」を1つ1つ書き出すのです。子供達の為に、夫の為に、そして、自分の為に…。
この映画を20年ぶりに見る機会があり、「自分だったら…」と思うと何とも言えない気持ちになりました。私がいなくなってもいつもと変わらず時間は流れて、すぐにいつもの毎日が始まるのです。残された人は生きていかなくてはならないのです。そんな家族の為に「私がいなくなっても困らないように…」と、行動を起こす事ができるのかな…きっと、無理ですね。メソメソしてやりたい事10個探すだけで2ヶ月経ってしまうかもしれません。それなのに、主人公の彼女はしっかりと自分を持っていて、強くて、素敵な女性でした。「自分の余命が2ヶ月」はあまりにも短くて儚いです。
20年前に初めて見た時には、少しも泣けなかったこの映画。今見ると涙が止まりません。20年の歳月が経ってもすこしも色褪せていなくて、私にとって色々な事を考えさせてくれた映画です。

死ぬまでにしたい10のこと
7

アンの若さを思うと…

23歳という若さで、余命2ヶ月だなんて、つらいです。アンが耐え切れず、涙を流す描写がリアルでした。死ぬまでにしたいことは、ちょっと共感できないものもありますが、それがリアルなのでしょう。私もたくさん恋をしたいと思ったり、誰かと遊びたいとか思うかもしれません。男からしたらちょっとずるいというか、夫はかわいそうだし、本気になった男は、その相手が死ぬんだからひどいです。
でも、不倫のリーにも話を残しているから、それなりに本気だったようです。夫がいるのにとの意見もあると思いますが、どちらも好きというのはあることなのかなと思います。そのほかにも、いろいろしたいことリストがあり、それを叶えられるかドキドキしました。
最後に父に会いに行ったり、いろいろしたいことをしていたアン。邦画のように、お涙頂戴の演出とは違いますが、すごく淡々としているのが逆にリアルだと思いました。みんなにテープを残したいとなるとき、子供が成長したときの分を残してるのが、切なかったです。そういう話はよく聞きますし、私も大きくなった子どもに、伝えたいこともあるもんなと思いました。23歳だなんて、とても若いです。だから、すごく辛いし悲しい話ですが、生と死を考えさせられるいい話だったと思います。