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理科が好きな少年ルーカスとその初恋
学園ものとしては面白い。
理科が好きな文系少年ルーカスが、同僚の女の子を好きになり、その女の子に好かれるために必死で努力をする。女の子は友達としか思っていないが、ルーカスは彼氏になりたかったのだ。スポーツができない少年時代を過ごした男の子なら、誰でもほろ苦い思い出だろう。特に女の子は、若ければ若いほど肉体的に優れた強い男を好きになるのだ。もし自分なら、と考えてしまった。私はスポーツも比較的できた方でルーカスのような思いはしなかったが、今の頭で考えるとその女の子に必要な存在になってしまえばよいと思う。
頭がいいという長所はあるのだから、肉体でアピールするのではなく、自分にしかない魅力で勝負すればいいのだ。私も55歳なのでもう肉体的なアピールはできない。精神的な魅力が問われる歳である。もっともルーカスは中学生なので彼女に認めてもらうため、か細いのにアメフトのチームに入る。巨漢たちの餌食になってけがをしてしまうルーカス。なんともいじらしい。私なら彼氏の座は、望まずに友達でもいいから、その子との付き合いが続く方を選ぶが、ルーカスはなんとしても彼氏になりたかったのだろう。
ルーカスは振られてしまうがガッツを認めてもらえて、チームのユニフォームを贈られるのだった。青春時代のほろ苦い思い出、懐かしく見ることができた。