歌手ではなく、語り部。
JUJUは歌手ではなく、語り部だ。
彼女の歌には、愛が溢れている。現在進行形の愛を歌った曲では、愛してる/ありがとう/と相手を想う気持ちを全面に魂を込めて歌いあげ、終わってしまった愛にも、労りや励ましを感じるような惜しみ無い愛が、燦々と注がれている。
去って行った相手へ離れた場所からエールを送り、終わった愛に傷付いている自分の心を、優しく包み癒すことを決して忘れない。
聞き重ねると、『歌』ではなく『物語』が聴く者の心に広がるようだ。その光景は、意識せずとも聴く者の心を包む。何故か?
JUJUには、歌手を志した時から憧れる歌手がいる。
名は、サラ・ボーン。アメリカ人の女性シンガーだ。
『生きていれば、そんなこともあるよね。』と身の回りにある喜怒哀楽をサラッと歌いあげる、サラ・ボーン。
JUJU曰く、サラ・ボーンは歌手ではなく、語り部。
自分も、語り部のような歌手になりたいと志し、語り部のような歌手でいたいと想いながら歌い続けている。
平等に誰かを想う気持ちは、平等に存在する。しかし、実を結ぶ愛が全てではない。
愛には色んな形があり、物語があることをJUJUは歌い続けている。
誰にでも平等に芽生える気持ちだからこそ、聴く者の心にそれぞれの物語を描いてくれる。