ルパン三世 GREEN vs RED

ルパン三世 GREEN vs REDのレビュー・評価・感想

ルパン三世 GREEN vs RED
10

ルパンは劇場版作品によって性格が違う?その理由とは。

ルパン三世といえば大人気作品であり、スタジオジブリが制作したカリオストロの城をはじめとした名作劇場版が多く存在します。

しかし作品によって顔や性格が異なる場合があり、それは「大人の事情」で、特に考えなくても良さそうなものですがこの作品ではそれを皮肉ったような演出があります。

この世界では「偽ルパン」が多数存在し、せこい万引き犯を含む「劣化版ルパン」が多数。壁に「ルパン参上」と落書きをするも、綴りを間違えている者なども。
銭形は彼らを見て「偽物だ」と断言します。

この物語の主人公は「緑ジャケットのルパン、ヤスオ」
彼はルパンではありませんでしたが、ワルサーP38(ルパン三世が愛用している銃)を通りすがりの男からスッてしまい、ラーメン屋に残されていた緑ジャケットを身に纏い「これは天啓だ」としてルパンを名乗り、本物の次元と行動を共に「ルパン」として活動し始めます。

緑ジャケットのルパンと、赤ジャケットのルパンはお宝と「本物のルパン」の座を賭けて対決します。
銭形もこの二人の姿を目撃し「どちらが本物でしょうか?」の警官からの問いには「わからん」と答えます。

ラストシーンでは「ルパンが現れました!今度のルパンは…『新型』です!」という無線をバックに、緑ジャケットのルパンが車を走らせています。

緑ジャケットのルパンは、作中で巨大ロボットに乗るなどかなり破天荒なことをしていたり、赤ジャケットは途中まで顔を見せず大物の雰囲気であるなど「本物の赤ルパンから新しい緑ルパンへの世代交代」とも取れる演出があります。

原作では赤ジャケットでしたが、アニメ版などでは様々な都合で緑ジャケットで描かれたなどの経緯もあり、そのような解釈もできなくも無い、と言う程度ですが、この作品は解釈がとても難解で、見た人の数だけ異なる印象を受けるかもしれません。

その点も含め、いろいろな人の感想を聞きたくなる問題作だと思います。