Frostpunk

Frostpunkのレビュー・評価・感想

Frostpunk
9

社会サバイバルゲームというジャンル名にふさわしい傑作

Frostpunkとは所謂都市シミュレーションゲームに類するゲームです。
都市シミュレーションゲームというとCities:SkylineやTROPICOなどを思い浮かべる人も多いかと思います。道を整備するも自由。施設を配備するも自由。住民たちの要求にノーと突き付けて反応を楽しむのも自由なシミュレーションゲーム。計画都市のように綺麗な街を整備して眺めるのが楽しみという人もいるでしょうが、Frostpunkはそれらシミュレーションゲームのような「都市を自由に作る楽しさ」とは楽しさの方向性が真逆と言っていいほど違います。
公式で名乗っている社会サバイバルゲームというジャンルのとおり、このゲームは本当にサバイバルゲームなのです。生存を目指すものはプレイヤーという人一人ではありません。社会を、都市を生存させなければなりません。
Frostpunkの世界観の設定を簡単に説明しましょう。時代背景は19世紀頃のイギリス、蒸気機関が現実より発展したifの世界です。スチームパンクな世界といえば分かりやすいと思います。そんな世界に突如大寒波が襲い掛かります。国家は麻痺し、当然通信や物流も全てストップします。極限化に晒された人々は「ジェネレーター」という唯一の熱源を頼りに街を形成し生存戦略を図るというゲームです。
大寒波により氷河期に突入した地球には限られた資源しか残されていません。有限である資源を上手くやりくりして都市を作り、人々を生存させていくことが目標となります。しかし人々を生存させるというのが非常に難しい、本当に難しいのです。ゲームを開始すると極寒の雪原に吹きさらしの状態で放置された人々と中央にポツンと配置されたジェネレーターだけという状態に放り出されます。プレイヤーであるあなたは指導者として住民たちを導かなければなりません。回収可能な資源を回収させ、住居をつくったり施設を作ったりと行きたいところですが、他のゲームとは違い資源は有限であり、しかもカツカツなのです。家一つ作るだけで大変な労力。それに加えジェネレーターで暖を取らなければ住民は簡単に病気になり作業効率が下がります。作業できる人が減り資源の回収が滞りまた一人病気になり……と一瞬の気の緩みが負の連鎖を起こしてすぐにゲームオーバーになってしまいます。
ここまで書くと何が一体面白いのかと思いますが、先に言った通りこのゲームは「サバイバルゲーム」です。生き残ることが目的なのです。難易度は非常に高い分、上手く都市を生存させることができたときは何物にも代えがたい達成感を得られることができます。
他の都市シミュレーションゲームでは全く味わえないゲーム体験を味わうことができる唯一のゲームであり、自信を持ってオススメができるゲームの一つです。