PK shampoo

PK shampooのレビュー・評価・感想

PK shampoo
10

詩的パンク

歌詞がいいアーティストは多くいる。歌詞がいいと言ってもその「よさ」は様々で、誰もが共感できるようなものもあれば抽象的で詩的なものもある。
PK shampooの良さを語るときに、歌詞の良さは語らずにはいられない。PK shampooの歌詞は前述した「よさ」のどちらかというと、どちらも兼ね備えているのである。
例えば、「夜間通用口」の歌詞。
「何故か夜空は今日も眩しすぎて 空の夜間通用口の向こう、光が見える」
夜空は今日も眩しすぎてという情景描写に加えて空の夜間通用口という言葉。PK shampooの歌詞にはこういった特別な言葉が多く使われる。感情自体を歌詞にのせることはほとんどないが、景色や言動などから感情を想像することができるのだ。
また、星の歌詞。
「遠ざかる街並みの中に 薄くかかったソーダ色の歌が 第二宇宙速度で光る頃に 君とさようなら」
「いつか僕が星になって 地上照らす日が来たら アンドロメダの向こうには きっとこの歌が響いて 玄関先の水たまり飛び越えるみたいに君のこと 探しにいくから待っててよ」
美しい歌詞ですよね。PK shampooのボーカルであるヤマトパンクスは、歌詞の中や曲の中の対比を意識して曲作りをするらしい。その規模の違いや現実と空想の違いがたまらなく美しい。
ライブのMC中にビールを飲んでだべって、出番の時間が押すようなおもしろ関西人な部分も魅力だと思います。
そんな美しい歌詞を歌うPK shampoo、曲調はめちゃくちゃパンク。文字だけでは魅力を伝え切ることができませんが、かっこいいメロディー、曲調に美しい歌詞がのると好きにならざるをえません。