学園戦記ムリョウ

学園戦記ムリョウのレビュー・評価・感想

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学園戦記ムリョウ
10

のんきと緊張がバランス良く配置されたアニメ『学園戦記ムリョウ』

本作は、2001年頃のアニメ作品でNHKの衛星放送アニメで放送されました。制作はマッドハウスで、宇宙戦艦ナデシコの佐藤竜雄さんが原作や監督、脚本にシリーズ構成の全てを担当した初の原作作品になります。
ストーリーは少し未来の2070年に、地球にエイリアンがやってきて、それを謎の巨大なヒーローがやっつける。地球侵略のSFとしては王道のパターンですが、この作品の特徴は最初から最後までの『空気感』です。
新世紀エヴァンゲリオンのような、登場人物や世界の追い詰められた緊張感とかは、この作品にはありません。朝起きて、学校なり仕事なり行って、帰ったら飯食って寝る。そんないつもの日常が続いています。特に登場する、宇宙人側の雰囲気がどこか和やかで『地球大変なんだよね?』と思わされるほどです。例え実際に地球が危うくとも、その事を宇宙人達が口にしようとも、です。
地球側はもちろん侵略される側で、生き死にを賭けているので流石に危機感は漂います。しかし特に大人達の達観した、そうしようと振る舞う為に危機的状況かであっても、どこか和やかな空気を作り出しているのです。
侵略者が地球に迫る。その危機的状況に対処しつつ、危ういバランスを持って和やかな日常が続く。
風変わりな雰囲気は、このアニメが持つ独特のものだと思います。
それを演出する登場人物達が、皆魅力的です。地球人も、宇宙人も。
主人公は二人います。この二人こそ、この空気感を1番強く作り出している存在でしょう。
詳しく書くと、ネタバレになるので控えます。
まずは第1話をご覧下さい。気が合えば、最終話まで一気見している事でしょう。では最後に、主人公の一人に一言。
君、のんきすぎない?