魔神英雄伝ワタル

魔神英雄伝ワタルのレビュー・評価・感想

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魔神英雄伝ワタル
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『ワタル』それは、昔と今のアニメを繋ぐ虹の架け橋。

『魔神英雄伝ワタル』は1988年に日本テレビ系列で第1作のテレビアニメが放送され、人気を博しました。
それ以降、続編にあたる『魔神英雄伝ワタル2』が1990年に、1997年に『超魔神英雄伝ワタル』がテレビ放映され、そして2020年に22年振りの新作『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』が動画配信サイト、YouTubeで配信されました。

30年経った今なお、人々の心に残る『ワタル』。
今回はテレビアニメ『魔神英雄伝ワタルシリーズ』の第1作目『魔神英雄伝ワタル』をレビューしたいと思います。

・伝説となるスタッフ、キャストたちが集結
企画、原作は後に『天外魔境』『サクラ大戦』を生み出す広井王子。
キャラクターデザインは『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『銀河漂流バイファム』で知られる芦田豊雄。
脚本は『タイムボカンシリーズ』の小山高生。
そして監督は今作が初監督作にして代表作となる井内秀治です。

キャストは主人公の戦部ワタルを演じる田中真弓をはじめ、玄田哲章、林原めぐみ、西村知道、山寺宏一、伊倉一恵など、そうそうたる声優の方々が役を演じ、キャラクターに命を与えています。

・今の日本のアニメに影響を残す

『ハッキシ言って、おもしろカッコいいぜ!』

これはこの作品の核である『王道冒険ストーリー』と『ファンタジーRPG』、そして魅力的な『キャラクター』『SDロボット』が組み合わさったことで生まれます。

作品の大まかなあらすじは主人公の少年、ワタルが悪に支配された異世界『神部界』に召喚され、救世主として相棒のロボット、龍神丸や仲間達とともに『創界山』を冒険するというストーリーです。

『鉄腕アトム』に代表される伝統的な日本のアニメと、『ドラゴンクエスト』などの1980年代に流行していたゲームの世界を上手く組み合わせた『ワタル』独自の世界観は、後のアニメ作品に大きな影響を与えます。
これは、とても素晴らしいアイデアなのではないでしょうか?

アニメの世界観は当時新しいものでしたが、デフォルメの利いた可愛らしいタッチのキャラクター、2等身の独特なタッチで描かれるロボット。
そして、どこか抜けたコメディタッチの展開、へん玉やぺったん手裏剣などの『おもしろカッコいい』アイテムはどこか懐かしく、親しみやすさを感じさせます。

・愛と勇気という『永遠のロマン』

少年であるワタルが創界山の救世主となり、龍神丸に乗って敵と戦うーーー
けれどもワタルは、単なる勧善懲悪の物語ではありません。
純粋な心を持つワタルやその仲間達は、勇気を持っています。
これは子供達、そして大人の心にも響く、作り手からの深い『愛』だと思います。

興味を持ってもらえたのなら、是非観てください。
『ワタル』に込められたメッセージを、少しでも感じてみてください。

『勇気を持つのだ。どんな時にもくじけぬ心を持て、ワタル!』