Petshop of Horrors

Petshop of Horrorsのレビュー・評価・感想

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Petshop of Horrors
6

不思議なペット、お売りします。「Petshop of Horrors」

妖艶で中性的な美青年D伯爵が営むペットショップには、今まで見たことのない不思議な動物達が勢ぞろい。ペットを通じて垣間見える、人間の闇を映し出したダークファンタジー漫画です。

D伯爵はアメリカ・チャイナタウンに店をかまえる中国人の青年。ただの青年ではなく、ミステリアスな雰囲気と女性に見間違うほどの美貌をもち、生い立ちも謎に包まれています。
彼が売っているペットの多くは、現実には存在しないような動物ばかり。繁殖力のとても高いうさぎだったり、おとぎ話に出てくる人魚だったり、中国では有名な獣の王・麒麟だったりするのです。
店に来る客の”闇”につけ込み、それらの不思議なペットを売るのです。人間のもつ大きな欲望や絶望もD伯爵にはすべてお見通し。甘い香りで誘い込み、客が掲示したルールを守れないことを知っていながら、ペットを渡し、さらに深い闇へと連れていきます。
この作品は人間が日ごろから目を伏せたいと思っている社会の”闇”を多く取り上げています。薬物、虐待、不倫、家族間の不和、そうした問題を持つ人々がバッドエンドになっていく様が童話のような教訓にもなるのが本作の魅力でもあります。
日常にちょっとした刺激が欲しい時、少しゾッとする本作を読むことで非日常を味わえる作品になっています。